戸建・マンションを問わず、物件自体に傷、汚れ、臭いが付着している場合、内覧の時点で即却下されてしまいます。とりわけ染みついた生活臭に関しては、売主側が気づかぬケースが多く、とりわけ愛煙家が使用していた喫煙部屋がある、室内で犬や猫を飼っていた場合などは要注意です。
売りに出している物件が周囲の他の物件と比較して、魅力的と映らないケースは少なくありません。長年暮らした我が家のデメリットは、慣れにより気にならなくなっているため、購入者のニーズを満たしていない現状を見過ごしがちです。
キッチンに日が当たらず暗い、部屋が細かく仕切られ過ぎている、収納スペースが不十分、部屋間に無駄な段差があるなどは、いずれもマイナスポイントになる可能性があります。今一度購入者目線での検証を実践してみましょう。
購入時に家族のライフスタイルや趣味を最優先で、変則的な間取りや内装にリフォームした物件は、不特定多数の購入希望者のニーズにマッチせず、売れにくい傾向が否めません。
鉄筋コンクリートのマンションの北側の部屋は、経年劣化に伴い、アレルギーの原因となるカビの発生と、それに伴う臭いが気になる物件が見られます。カビ臭は内覧時で即却下の原因となるリスクが高く要注意です。
1棟に100世帯以上が密集する大規模マンションの場合、購入者の心理として他の物件に目移りしてしまう傾向が見られます。選択肢の多さが成約率の低下につながる理論です。対して小規模満床の場合、一世帯あたりの管理費負担が高額となる、セキュリティ面が大規模マンションと比較して見劣りする傾向が否めません。
また築年数が長い古い物件ほど、入居後の大規模修繕など、入居者の負担が大きくなる可能性が懸念されます。
駅から遠く、近所にバス停も見当たらない、運行本数が極端に少ない物件は、どれだけ物件自体が魅力的と映ったとしても、成約につながりにくい傾向が顕著です。
商業施設や病院など、日常生活に不可欠な各施設が近所に見当たらない物件は不人気です。近隣への移動も基本すべてマイカーというライフスタイルの売り主の場合、不便さとニーズとのズレに気づいていないケースが見られます。
地震、台風、水害や雪害など、大規模な自然災害が発生した地域の物件は、基礎部分を含む目視確認できない建物自体への不安感と、同様の災害が生じるリスクから、売却が難しい傾向が顕著です。
周辺の地域開発などで町並みが大きく変化した結果、治安の悪化が囁かれる、感じられる地域の物件は売れにくく、普段から周辺環境の変化に注意を払い、変化を敏感に察知する姿勢が望まれます。
不動産の売却に際しては、媒介する不動産業者からもアドバイスがもらえますが、最終決定権はあくまで所有者である売り主です。住み慣れた愛着のある事故物件の査定は自然と甘くなるだけでなく、1円でも高額で現金化したいと考えて当然です。結果相場を無視した強気な販売価格で売りに出してしまい、価格設定がネックで売れ残ってしまう展開はめずらしくありません。
買い手がつかず、一旦値下げしてしまうと、購入希望者側に様子を見られてしまい、さらに売れ残る期間が続いてしまう悪循環が想定されます。結果数回の値下げから、最後は当初の予定希望価格を大きく下回る、業者への売却での処分となれば、金銭面の大きなデメリットが避けられません。