不動産売却時には、さまざまな書類が必要とされます。登記済み権利書や納税通知書など、その言葉自体に馴染みがない上に、必要となる時期もまちまちになるため、準備に手間取る方も多いでしょう。
今回は、不動産売却に必要な書類について、ご説明します。
住まい売却を検討し、売りに出してめでたく売買契約という段階になって「あの書類はどこだったっけ?」ということになるケースが多いようです。不動産売却時にそのような事態に陥らないようには、どの書類がどういうタイミングで必要なのかをしっかりとチェックし、あらかじめ準備をしておくといいでしょう。
まず、必要書類としては「売り主に関するもの」「権利に関するもの」「建物に関するもの」が挙げられます。売却時に必要となる書類は、一戸建てやマンションといった物件種別により多少異なりますが、基本的には共通しているもの。買い主側としては、物件について出来るだけ多く、正確な情報を希望するのが一般的と言えるでしょう。売買契約時の必須書類は、そのような買い主の希望を叶えるものとなります。
「自分が買う立場だったら、どのような情報が欲しいか」を考えながら、準備を進めるといいかもしれません。
それでは、具体的に必要書類を見ていきましょう。
物件が親子や兄弟などで共有名義となっている場合、共有者全員のものが必要です。相続物件の場合、共有者が遠方にいて本人確認書類を揃えるのに時間がかかった、といったケースも。
住民票は登記上の住所と、現住所が異なる時に必要となります。こういった書類には有効期限がありますから、注意しましょう。
法務局から公布される書類で、登記名義人がその物件の真の所有者であることを証明する、とても重要な書類となります。取得時に法務局から公布された登記済権利書等を買い主に渡し、移転登記を行うと所有権が買い主に移ります。
「固定資産税納税通知書および固定資産税評価証明書」は、固定資産税納税額の確認に必要な書類です。固定資産税は、1月1日時点の所有者に年間の固定資産税が課税されます。取得時期に応じて負担額が調整され、売り主に一部払い戻されるようになっています。
土地の場合ではどこからどこまでが売却対象か、対象面積は何㎡かなど、面積や境界線が非常に重要となります。
建築確認済証や検査済証は、物件が建築基準法に則って建築されていることを証明する書類。構造等が法律の基準をクリアしていることを証明する書類ですから、買い主にとっても重要な情報と言えるでしょう。
建築設計図書や工事記録書等は、建築にあたって必要となる法的手続きに関する書類ではありません。ただ、買い主にとってはどのように設計・工事が行われたかという情報は、将来リフォームを検討する際などに非常に有益な情報といえます。買い主にとっては、知っておきたい情報なのです。
物件の構造を客観的に評価するデータは、買い主にとっても購入にあたり物件を評価する分かりやすい基準となります。
また、販売時のパンフレットや広告、購入時の契約書や重要事項説明書も、買い主としては見てみたい資料と言えるでしょう。
ここまで上げてきた書類は、不動産売却を検討し始めて、査定を依頼する時期までには一通り揃えておくようにするといいでしょう。書類提示は速やかに行うことが、早く家を売るコツといっても過言ではありません。
より希望に近い条件で制約させるためには、スムーズな情報開示が重要なポイントとなります。物件に関わる資料はすべてまとめて管理しておくと、いざ売却をとなった時に手間を省くことができるでしょう。「家を売ろう」と思い立ったら、書類を準備し、業者と相談しながら情報提供資料として活用しましょう。